ニュースレター「出版翻訳について」を掲載しました。

出版翻訳について

  1. 文学作品を除く、様々な実用書(自己啓発本、サイエンス、観光ガイド等)に関する、日本語から英語への出版翻訳を中心に行なっています。
  2. 2次的著作物としての「英文の著作権」を主張していません。(恒常的な著作権の放棄)

お受けできる専門分野

お取り扱いはノンフィクション限定となります。
弊社はもともと産業翻訳専門の翻訳会社でした。そんななかで、お客様より海外で書籍として出版したいとのご相談があり、お受けするようになったものです。したがって、高レベルの創造性が要求されるフィクションは未だノウハウがなくお受けできません。又、現在のところ映像翻訳もご対応できる体制にありません。そんな弊社ではありますが産業翻訳でつちかったノウハウと欧米人リライターの協力もあり実用書であれば、自信をもってご期待に応えられます。例えば、これまで医学論文を多くのジャーナルに投稿されてきた研究者の方で、一般読者向けの単行本を発行を検討するような場合は、是非、ご相談ください。過去の実績でも「長年、英文校閲をお受けしてきた研究者」の方からのご依頼で、仕事をお受けしたことがあります。

通常、日本の翻訳会社で言われている出版翻訳とは英語圏の著作物を日本で出版することを目的に行う英日翻訳であり、仕事の発注元は日本の出版社ですが、海外を拠点とする弊社では、日本語の著者物を英語圏で出版するお手伝いを中心としておこなっています

これまで、主に、日本国内の学識経験者(大学教授等)が、海外でハードカバーを出版される場合の日本語原稿の英訳を数多く行なってきています。これは、日常的に、このような先生方の研究論文のリライトや、日英翻訳をこなしてきた弊社だからお受けできたものと思われます。 一般的に、翻訳会社にご依頼されると、その成果物は2次著作となり、著作権は翻訳会社が所有します。しかしながら、弊社では、論文の英訳の延長としての考えから、2次著作物としての著作権(英訳に付随する2次著作権)を、恒常的に放棄しています。その結果、多くのご依頼をいただける反面(競合他社は2次著作権を主張)、これまでの出版物が公表できないのは残念です。弊社の経験範囲には文学作品等のフィクションは皆無ですが、経験範囲は、環境問題、食品問題、教育問題等に及びます。

出版翻訳では、主題をきちんと把握し、読者層を意識しながら、著者の真意を踏まえた英語表現ができなければなりません。又、具体性の欠ける抽象的な日本語原稿の場合は、「抽象的=不明療」と捉えがちな英語圏の読者に「わかりやすく意訳する高度な技術」が要求されます。その程度は文学作品程には遠く及びませんが…海外発表を全く意識しないで書かれている様な国内の出版物の場合は、多かれ少なかれ、mind readingが要求され、日本語解釈の誤解をさけるため、著者への真意の再確認等の作業も必要になります。弊社ではこのような複雑な作業を、迅速な著者への質問・確認とともに、他社と比較して短期間で成し遂げています。

文学作品では著者の意図を伝えるために記載事実と異なる英語に変更することがあります。これは、創作であり、弊社の作業範囲を超えています。

(例)下記の雪国(川端康成)の英訳例の様な創作作業はお受けできません。

日本語原稿: 川端康成<雪国>

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。

英訳出版物: サイデンステッカー<Snow Country>

The train came out of the long tunnel into the snow country. The earth lay white under the night sky.

(汽車は長いトンネルを抜けて雪国に出た。大地は、夜空の下に、白く横たわっていた)

産業実務翻訳が中心のドルフィンですが…文学作品、詩、哲学等を除く、科学的内容の出版物ならお受けできます。どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社ドルフィン 代表取締役 小笠原壽男